仕事だけでなく個人的なことも含めて,
日々のできごとや雑感をとりとめもなく綴ることにしました。

2020年ノーベル物理学賞
ナンモリ通信 2020.12.17 号   writer:別所

今年も残すところ2週間余りになりました。ここ数年は秋になった辺りからの時間の流れが速く感じます。 1週間は長く感じるのに1ヶ月は短く感じるということもあったりして,積み重ねた歳の多さを感じます。

今回はノーベル物理学賞のお話をしたいと思います。今年のノーベル物理学賞は, 「ブラックホールが形成されることは一般相対性理論の確固たる予言であることの発見」に対してロジャー・ペンローズに, 「天の川銀河の中心に巨大質量のコンパクト天体を発見したこと」に対してラインハルト・ゲンツェルとアンドレア・ゲズに授与されました。 いずれもブラックホールに関する研究で,前者は理論の,後者は観測の研究になります。

ブラックホールは密度がとても大きいため重力が非常に強く,宇宙で一番速い光でさえ脱出できない天体です。 ブラックホールの中心にはものが1点に集まる,密度が無限大になる点ができます。このような点を「特異点」と言います。 アインシュタインが一般相対性理論を発表した直後,シュワルツシルトが一般相対性理論を使ってブラックホールが存在しうることを発見しました。 しかし,当時,ブラックホールが本当にこの宇宙に存在するのかについてはほとんどの物理学者が懐疑的でした。 数学的にはブラックホールが存在してもおかしくはないが,実際にはそのような天体はできないだろうと思われていたのです。 そんな中,ペンローズは天体などが重力で小さくなっていくと特異点ができることを理論的に証明しました。 星は核融合によって高温になり光っているのですが,燃料を使い果たすと重力を支えていた圧力が小さくなって収縮します。 他にも縮退圧と呼ばれる圧力もあるのですが,それをも凌駕するほど重力が強ければ(質量が大きければ)どんどん収縮していきます。 そのような状況では特異点が必ずできることが分かったのです。このことは「特異点定理」(※)と呼ばれています。

(※)
特異点定理には,ホーキングとペンローズの研究として有名なものもあり,それはブラックホールではなく宇宙の始まりについての定理です。 上記のブラックホールの特異点定理は天体が収縮すると点になるという話でした。 そこで,天体を宇宙に(宇宙を1つの大きな天体と考えます)置き換え,宇宙は現在膨張していることから時間を逆向きして 収縮していると考えると,宇宙の始まりは点(特異点)だったと言えます。これがホーキングとペンローズの特異点定理です。

ブラックホールが形成されることが理論的に証明されたので,観測で見つける段階になりました。 天体の周りを運動する別の天体の軌道を観測することで,中心の天体の質量などの情報を得ることができます。 ゲンツェルとゲズは天の川銀河(我々がいる銀河(※))の中心部分の星の運動を精密に観測し,大質量かつ高密度の天体があることを発見しました。 密度の大きさからそれはブラックホールであることが強く示唆されました (ここでいう密度の大きさは上記の特異点の密度ではなく,ある広がった空間にどれくらい質量が集中しているかという意味です。 星が集まっただけでは説明できないほど密度が大きく,ブラックホールがあるのではないかと予想されました)。 その後,ブラックホールは重力波の観測やEHT観測で直接的に存在が確かめられました。

(※)
太陽系がある銀河を天の川銀河というのですが,天の川銀河は我々がいる銀河ということで「Our galaxy」と呼ばれることがあります。 なんだかカッコいいですね。

以上が,今年のノーベル物理学賞受賞研究の内容です。物理学は理論研究で発見されたことを実験・観測で確認したり, 実験・観測で発見されたことを理論で説明したりという,理論と実験・観測が両輪となって発展していくものです。 その意味で,理論と観測の研究に物理学賞が授与されたことはとても意義深いことだと思います。

簡単にですが,今年のノーベル物理学賞について書いてみました。どのような研究なのか,少しでも伝われば幸いです。

今年は新しい生活様式の効果もあってインフルエンザにかかる人が激減しているらしいです。 マスク,手洗いうがい,消毒は感染症に効果大みたいですね。 引き続き,感染症に気をつけつつ,年末年始ゆっくりお過ごしください。 少し早いですが,よいお年を。

(別所)


最近の四月社
ナンモリ通信 2020.11.24 号   writer:別所

新型コロナ感染が拡がり大変な年になっていますが,皆さまお元気でしょうか。 長い間,ホームページが更新されないままになっていましたので,筆を執りました。

弊社は幸い社員に感染者も出ず,編集・制作作業に取り組んでいます。 今年は中学数学をメインに編集・制作を行っています。高校数学も始動しました。 ナンモリ通信のメインコンテンツになっています,日本酒部の活動報告は,情勢を鑑みて日本酒部の活動を停止していますので,投稿も止まっています。 日本酒部の活動報告が書けるような,会食などが自由にできる世の中に早く戻って欲しいです。

新型コロナ以外にもインフルエンザが流行り出す季節になってきました。 手洗いやうがい,手の消毒やマスクの着用をして,感染症予防に努めましょう。 また,人との接点が持ちづらくストレスが溜まりやすくなっていますので,心のケアもしていきましょう。 どうかご自愛ください。

(別所)


第74回日本酒部活動報告
ナンモリ通信 2020.03.30 号   writer:高田

大変遅くなって申し訳ありません。
昨年12月27日に行った,第74回日本酒部の活動報告をいたします。

今回は,日本一長い「天神橋筋商店街」を南に抜けたところにある,「くつろぎ和食 輝楽家(きらくや)」というお店に行ってきました。旬の素材を生かした料理と各地の銘酒が味わえる,おとなの隠れ家的な雰囲気の居酒屋です。

寒ブリとノドグロの入ったお造り盛り合わせと海鮮ちゃんこがメインのコース料理にしました。また,最近よく耳にする「インカのめざめ」というじゃがいもを使ったポテトサラダもありました。




美味しい料理にお酒がどんどん進みました。特によく飲む2人(←誰のことでしょう?)は,休むことなく飲み続けていました。料理の運ばれてくるペースが比較的ゆっくりのお店なので,時間をかけてお酒を楽しむことができました。 ちなみに,熱燗を注文する際は,温まるまで時間がかかるので,一緒にビールも頼み,ビールを飲みながら熱燗を待つというのが賢明です。


1年の締めくくりにふさわしい,贅沢な会合となりました。
未アップ分(1・2月)の活動報告も追ってアップロードしますので,ご期待ください。


(高田)